| イデア | あ、ぁー……ドモ。 ちょ、調子はどう？ 連日あちこち検査されまくって 調子も何もないって感じでしょうが……。 |
| リリア | 悪くないぞ。傷の治りも良いし、 まるで現役時代に戻った気分じゃ。 |
| マレウス | 僕は、”疲労感”や”倦怠感”に近いものが ずっとある。 今までは疲労を感じても一時的なもので、 少し眠れば回復したのだが……。 魔法領域を展開し続けたせいか、 角を失ったせいかはわからないが…… 魔力のコントロールがまだ上手く いっていないのかもしれない。 |
| イデア | つ、角は自然界の魔法エネルギーを集めるアンテナ でもあり、魔力を蓄え増幅させる器官なんだっけ？ |
| リリア | あぶなっかしいのう。 そのへんで転んで、反対側も折らんようにな。 |
| マレウス | 気をつける。 おばあさまからも、「これ以上の無様を晒すことは 許さない」ときつくお叱りを受けているからな。 |
| リリア | わしも 「お前がついていながら何事か」と睨まれた時は、 かけられた圧で椅子ごと 床にめり込んだかと思ったわ。 |
| イデア | め、面会に同席してたうちの所員たちも…… 「軽く３リットルは冷や汗かいた」「一刻も早く あの部屋から出たかった」って言ってましたぞ。 全文同意すぎる。拙者も滝のような冷や汗で 頭の炎が鎮火するかと思いましたわ。 ま、まあそのおかげか他の問題児たちと違って ふたりとも全く文句言わないから サクサク検査が進んで こっちとしてはありがたい限りなんだけど…… |
| マレウス | ところで、所員から「今日は特別な検査を行う」と 言われたのだが。どんなことをするんだ？ |
| イデア | あー、それね。え、えっと、実は……。 君たちのナイトレイブンカレッジ復学の許可が出た。 |
| リリア・マレウス | ！！！ |
| イデア | だ、だから……それにあたって、 いろいろ確認しなきゃいけないことがあるんですわ。 |
| マレウス | 復学……リリアはわかるが、僕も？ |
| イデア | ナイトレイブンカレッジ、 ロイヤルソードアカデミー両校の生徒と保護者…… それから、賢者の島の地域採決で『魔法災害特級 保持個体』である君の受け入れが決定したらしい。 もちろん色々と制限はつくし、実際戻るかどうかは 本人と保護者の意思次第だけど……。 |
| マレウス | 許すというのか？ この僕を……。 |
| イデア | 許したわけじゃないと思うよ。 ただ、幸運にも問題児の魔法災害には 慣れっこだった島の住人と、 お人好し揃いのロイヤルソードアカデミー、 それから…… 君にビビってると思われたくないナイトレイブン カレッジの生徒が多かった、ってだけ。 |
| リリア | ……この感謝を、なんと言葉にすればよいか……。 心から礼を言わせてほしい。 イデア、お主にも……本当にありがとう。 |
| イデア | あー、いい、いい、そういうの。君たちからのお礼と 謝罪はもう胸焼けするくらい浴びせられてるから。 せ、拙者としても『S.T.Y.X.』としても…… 今回の活躍で前回の不祥事がチャラになった みたいなトコありますからな。ヒヒッ。 ……で、まず確認だけど……。 ふたりとも、学園に帰る？ |
| マレウス | 僕は……。 ………………。 |
| リリア | マレウス……。 |
| イデア | ……ま、まあ、今日すぐに決めなくてもいいよ。 悩む気持ちはわかりますぞ。拙者もオーバーブロット した後は学園に戻りたくなかったし。 他のみんなも多分そうだったろうと思う。 気まずかったり、申し訳なかったり、 自分が情けなかったりしてさ。 せっかく回収したマレウス氏のギャン泣き顔グラが、 なんかコレジャナイ感あった拙者としては……。 身内に怒られて肩幅半分になってる姿と、今日の 情けない顔グラ回収できて少し気が晴れましたわ。 |
| リリア | フッ。イデアお主……気弱そうに見えて 良い性格しとるのう。 |
| イデア | フヒッ！ これでもナイトレイブンカレッジ生、 しかも寮長やらせてもらってますんで。 で、では…… 復学するかどうかは一旦保留として…… 今日からは、元の生活に戻るためのリハビリを 開始してもらいます。 |
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