| 赤髪の男 | ──さ、これで入学式と寮分けは終わりかな? いいかい新入生たち。ハーツラビュル寮ではボクが 法律(ルール)だ。逆らう者は首をはねてやるからそのつもりで |
| 獅子の耳を持つ男 | ……ふぁ~あ。やっとかったるい式が終わった。 さっさと寮に戻るぞ。 サバナクロー寮、付いてこい。 |
| 眼鏡の男 | 新入生のみなさん。この度は入学おめでとうございます! みなさんが充実した学園生活を送れるよう オクタヴィネル寮寮長として 精一杯サポートさせていただきますよ。 |
| 美しい男 | それにしても学園長はどこに行っちゃったのかしら? 式の途中で飛び出して行っちゃったけど…… |
| タブレットの声 | 職務放棄………… |
| ターバンの男 | 腹でも痛めたんじゃないか? |
| クロウリー | 違いますよ! |
| 赤髪の男 | あ、来た。 |
| クロウリー | まったくもう。 新入生が1人足りないので探しに行っていたんです。 さあ、寮分けがまだなのは君だけですよ。狸くんは 私が預かっておきますから、早く闇の鏡の前へ。 |
| グリム | ふぐぐー!!! |
| 闇の鏡 | 汝の名を告げよ |
| ユウ | [ユウです] |
| 闇の鏡 | ユウ…… 汝の魂のかたちは……… ……………… ………………… わからぬ。 |
| クロウリー | なんですって? |
| 闇の鏡 | この者からは魔力の波長が一切感じられない…… 色も、形も、一切の無である。 よって、どの寮にもふさわしくない! |
| クロウリー | 魔法が使えない人間を黒き馬車が 迎えに行くなんてありえない! 生徒選定の手違いなどこの100年 ただの一度もなかったはず。一体なぜ…… |
| グリム | もごもご…ぷはっ! だったらその席、オレ様に譲るんだゾ! |
| クロウリー | あっ待ちなさい!この狸! |
| グリム | そこのニンゲンと違ってオレ様は魔法が使えるんだゾ! だから代わりにオレ様を学校に入れろ! 魔法ならとびっきりのを今見せてやるんだゾ! |
| 赤髪の男 | みんな伏せて! |
| グリム | ん゛な゛~~~!! |
| ターバンの男 | うわあ!!あちちちっ!尻に火が! |
| クロウリー | このままでは学園が火の海です! 誰かあの狸を捕まえてください! |
| 獅子の耳を持つ男 | チッ……かったりぃな。 |
| 美しい男 | アラ、狩りはお得意でしょ? まるまる太った絶好のオヤツじゃない。 |
| 獅子の耳を持つ男 | なんで俺が。テメェがやれよ。 |
| 眼鏡の男 | クロウリー先生、おまかせください。 いたいけな小動物をいたぶって捕獲するという みなさんが嫌がる役目、この僕が請け負います。 |
| タブレットの声 | さすがアズール氏。 内申の点数稼ぎキマシタワー。 |
| ターバンの男 | なあ、誰かオレのケツの火ぃ消して くれてもよくねえ!? |
| クロウリー | みなさん、私の話聞いてます!? |
| 獅子の耳を持つ男 | はぁ…。狸捕まえるくらいアンタが やりゃいいだろ、センセー。 |
| グリム | オレ様は狸じゃねーって何度言わせるんだゾ! 偉大なる魔法士になる男・グリムとは オレ様のことだゾー! |
| アズール | 威勢のいい小動物ですね。 リドルさん、お願いできますか? |
| リドル | 違反者は見逃せないからね。 さっさと済ませるとしよう。 |
| グリム | 見ろ! オレ様はつえーんだゾ! |
| リドル | はっ! |
| グリム | わわわっ!? |
| リドル | ボクの目の前でルールを破るとは、 大層度胸がおありだね |
| アズール | さあ、早いとこ捕まえてしまいましょう ぐずぐずしていると夜が明けてしまいますから。 |
| アズール | はっ! |
| グリム | ぎゃーーー!! |
| リドル | アズール、遊びが 過ぎるんじゃないのかい |
| アズール | ふふ、リドルさんこそ モンスターをいたぶって楽しんでいるのでは? |
| リドル | ボクはキミとは違う。 くだらないことを言っていないで行くよ |
| グリム | あわわわわわ…! |
| グリム | ふなっ!?行き止まり!? |
| アズール | 泳がされていたことにも気付かなったんですか? 哀れな小動物ですねぇ |
| リドル | 観念するんだね。さもなくば… |
| グリム | 嫌だ!オレ様はこの学校に入るんだ! |
| リドル | アズール、下がれ! |
| グリム | ふな~~~~~~~っ!!! |
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