【ストーリー】PROLOGUE1 覚醒ストレンジャー!

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ユウ[ ──この音は……? ]

[ ──もう朝? ]
???やべえ。そろそろ人がきちまうゾ。
早いところ制服を……
うーん!!!
この蓋、重たいんだゾ。
こうなったら………奥の手だ!
ふな゛~~~~それっ!
ユウ[ ぎゃ────!?!? ]

[ か、火事だ──!?!? ]
???さてさて、お目当ての……
って、ギャーーーーーー!!!!
オマエ、なんでもう起きてるんだ!?
ユウ[ し、しゃべる狸!? ]

[ たくさんの棺が浮いてる部屋……!? ]
グリム誰が狸じゃーーーー!!!! 
オレ様はグリム様なんだゾ!
まあいい。そこのニンゲン! 
オレ様にその服をよこすんだゾ!

目の前のオレ様を無視するとはいい度胸なんだゾ!
このグリム様に目を付けられたのが運の尽き!
オマエのその服をよこすんだゾ!
グリムさもなくば……丸焼きだ!
ユウ[ だ、誰か助けて!! ]

[ 狸に丸焼きにされる夢なんて斬新すぎる! ]
グリムコイツ! 待つんだゾ!

だから狸じゃねーって言ってるんだゾ!

━━━ 図書室 ━━━

ユウ[ ここは一体どこなんだ? ]

[ 夢なら早く醒めて ]
グリムオレ様の鼻から逃げられると思ったか!
ニンゲンめ!
さあ、丸焼きにされたくなかったらその服を──
ふぎゃっ!? 痛ぇゾ! なんだぁこの紐!
???紐ではありません。愛の鞭です!
ああ、やっと見つけました。
君、今年の新入生ですね?
ダメじゃありませんか。
勝手に扉(ゲート)から出るなんて!
それに、まだ手懐けられていない
使い魔の同伴は校則違反ですよ。
グリム離せ~! 
オレ様はこんなヤツの使い魔じゃねぇんだゾ!
???はいはい、反抗的な使い魔はみんなそう言うんです。
少し静かにしていましょうね。
グリムふがふが!
???まったく。勝手に扉を開けて出てきて
しまった新入生など前代未聞です!
はぁ……どれだけせっかちさんなんですか。
さあさあ、とっくに入学式は始まっていますよ。
鏡の間へ行きましょう。
ユウ[ ……新入生? ]

[ ……扉? ]
???貴方が目覚めたたくさんの扉が
並んでいた部屋ですよ。
この学園へ入学する生徒は、全てあの扉を
くぐってこの学園へやってくるのです。
通常、特殊な鍵で扉を開くまで生徒は
目覚めないはずなんですが……
ユウ[ あの大量の棺は、扉だったんだ ]

[ 炎が蓋を吹き飛ばしていったような ]
???それまでの世界に別れを告げ、新しく生まれ変わる。
あの扉の意匠にはそんな思いが込められているのです。

結局元凶は全てこの使い魔のようですね。
連れてきたのならちゃんと責任持って面倒を見なさい。
???……おっと! 
長話をしている場合ではありませんでした。
早くしないと入学式が終わってしまう。
さあさあ、行きますよ。
ユウ[ その前に、ここは一体どこですか? ]

[ その前に、あなたは誰ですか? ]
???おや? 
君、まだ意識がはっきりしてないんですか?
空間転移魔法の影響で記憶が
混乱してるんですかねぇ……
まあいいでしょう。よくあることです。
では歩きながら説明してさしあげます。
私、優しいので。

━━━ 中庭 ━━━

???ごほん。
ここは『ナイトレイブンカレッジ』。
世界中から選ばれた類稀なる才能を持つ
魔法士の卵が集まる
ツイステッドワンダーランドきっての
名門魔法士養成学校です。
クロウリーそして私は理事長よりこの学園を預かる校長。
ディア・クロウリーと申します。
ユウ[ ま…まほうし? ]

[ ないと…かれ…? ]
クロウリーこの学園に入学できるのは『闇の鏡』に
優秀な魔法士の資質を認められた者のみ。 
選ばれし者は、『扉』を使って
世界中からこの学園へ呼び寄せられる。
貴方のところにも『扉』を載せた黒い馬車が
迎えにきたはずです。
ユウ[暗い森を通ったような……]

[顔が怖い馬がいたような……]
クロウリーあの黒き馬車は、闇の鏡が選んだ
新入生を迎えるためのもの。
学園に通じる扉を運ぶ、特別な馬車なのです。
古来より特別な日のお迎えは馬車と
相場が決まっているでしょう?
ユウ[相場って、どこの相場?]

[つまり、あの馬車に勝手にここに連れてこられたってこと!?]
グリムむがーー! むががーー!!
クロウリーさっ、入学式に行きますよ。

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