【ストーリー】1-6 あの時の逆恨み……?【願いのランタン】

コメント(0)
 

図書室 – エントランスホール –


リドル
脱出方法か……こうなった原因がわかれば、
自ずと対処方法もわかりそうなものなのだけれど。
トレインふむ。お前たち、
閉じ込められた理由に心当たりはないのか?
例えば、誰かの恨みを買った覚えがあるとか。

リドル
もしやあの時の逆恨み……?
ジャック
ジャック
ひょっとしてアイツか?
デュース
デュース
もしかしてあれかな。

カリム
み、みんな心当たりがあるのか?
オレは全然思い当たらないぞ!?
トレインもしくは……図書館に閉じ込められる前に
何か変わったことはなかったか?
デュース
デュース
うーん。いつも通りだったと思いますけど……。
ジャック
ジャック
……そうだ! 空が光りました。
ほんの一瞬だけだったが……。
トレイン空が光った?

リドル
ボクも目にしました。ただ、状況を確認する前に
カリムの声が聞こえてきて……

カリム
そうそう。
空から面白いものが落ちてきたんだぜ。
トレイン面白いもの?
アジーム、具体的に説明

カリム
風船っていうか……
小さな気球みたいでさ。
それから……表面にうっすらと
太陽みたいなマークが見える。
あれ? そういえば、この気球みたいなやつを
捕まえたときは身体が窓の外に出たんだよな。
トレイン太陽みたいなマーク……?
ローズハート。アジームが見つけたというものを
魔法で私の手元によこしなさい。

リドル
え。それでは図書館の使用ルールに抵触しませんか?
デュース
デュース
図書館のルール? 大声を出さない、走らない
……他になんかありましたっけ。

リドル
たくさんあるよ! 例えば……『図書館のものを
許可なく外に持ち出すべからず』
ナイトレイブンカレッジの図書館は、外部に物を
持ち出す魔法を無効化するようになっている。
学園長が言っていた通り、この図書館には貴重な本が
たくさん収蔵されているからね。
だから盗難などを防ぐ目的で、学園の結界とは
また別に、特殊な結界が張られているんだ。
ここにあるすべての本は、魔法によって
図書館内に留まるようになっている。
独自のセキュリティシステムといえば
わかりやすいかもしれないね。

カリム
あれ? それだと、図書館で借りた本を
寮に持って帰れなくないか?

リドル
もちろん、正規の貸し出し手続きを行っていれば
問題はない。
カウンターでの貸し出し手続きは、今誰が本を
持っているかを記録するのと同時に……
本にかけられた魔法を解いて、持ち出し可能な
状態にするために行われているんだ。
デュース
デュース
貸し出し手続きにそんな理由があったなんて
……知りませんでした。
カリムオレもだぜ! やっぱりリドルは物知りだな。
ジャック
ジャック
おい。カリム先輩はともかく、俺らは
入学後のオリエンテーションで説明を受けてるだろ。
デュース
デュース
えっ、そうだったか?
普段図書館なんて使わないから忘れてた……。

リドル
そうかい、今度つきっきりで、
たーーーっぷり教え込んであげよう、覚悟をおし。
トレインその気球のようなものは外部から
入り込んだものなのだろう?
図書館の蔵書でないのであれば、ローズハートの
魔法で外に出せるはずだ。規則違反には該当しない。

リドル
なるほど、わかりました。
ではカリム、それを貸してくれ。

カリム
ああ。

リドル
では、いきます。
…………はあッ!
デュース
デュース
そうだ。ローズハート寮長の魔法で
僕たちも外に出られないかな?
ジャック
ジャック
無理だろ。人間を移動させられる魔法士なんて一握り
しかいねえし、そもそもいろんな制約が……ん?

カリム
うんともすんとも言わないなあ。

リドル
ダ、ダメだ。ボクたちが外に出られないだけでなく、
ものも外に出すことができない!
トレイン仕方ない。ガラス越しに確認するとしよう。
お前たち、どこか近くの窓の前に移動しなさい。

コメントを書き込む


Protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

まだコメントがありません。

×