 ジャック | 結局カウンターには誰も戻ってこなかったな。 チッ、無駄足になっちまった。 |
 デュース | ああ。昼休みになったらまた図書館に来ないと。 本がないと明日提出する課題を進められない……！ |
ジャック | は！？ 明日！？ お前バカじゃねえのか。 もっと早くに着手しておけよ。 |
デュース | 先週から手はつけていたんだ！ でも上手くまとまらなくて……。 |
 カリム | デュースも課題に使う本を借りにきたのか？ 実はオレもそうなんだよ！ でもどこにあるかわからなくってさ。 ま、どうにかなるだろ。あっはっは！ |
デュース | そうっすよね！ |
 リドル | ……デュース。キミの課題はボクが手伝って あげよう。必ず今日中に終わらせるように。 |
デュース | は、はい！ |
リドル | さあ、急いで教室に向かおう……ん？ おかしいな。図書館の扉が開かない。 |
ジャック | 本当だ。 建て付けが悪くなってるのか？ すぅ……。 オラッ！！！ こんなに力を込めてもビクともしねえだと！？ ダメだ、押しても引いても動かねえ。 |
デュース | もしかして外から鍵をかけられたとか？ |
リドル | ボクも手続きに向かうところだったんだ。 ……あれ、カウンターに人の姿が見えないね。 |
カリム | あはは、すげーうっかりした奴がいるんだなあ。 |
リドル | ハッ、予鈴が鳴ってしまった。 このままでは遅刻してしまう！ |
カリム | えっ。遅刻はまずいな。 おーい！！ 誰かいないか？ |
 ジャミル | カリム！ 図書館にいるのか！？ |
カリム | その声……ジャミルか？ ちょうどいいところに来てくれたな、助かったぜ！ |
 ジャミル | ちょうどいいも何も、もうすぐ始業時間なのにお前が 教室にいないって聞いて捜しにきたんだよ！ 教室の前まで送って油断してた…… やっぱり教室の中まで送り届けないとダメなのか？ |
ジャック | どう考えてもやりすぎだろ。 カリム先輩のこと何歳だと思ってるんすか。 |
リドル | でもまあ、実際にそれで上手くいっていないから 今こうなっているのだけれどね……。 |
カリム | ちゃんと始業までには 教室に戻れるはずだったんだけどなあ。 図書館の外から鍵をかけられちゃったみたいでさ。早くここから出してくれ！ |
ジャミル | 図書館は開館中なのになんで鍵なんか…… って、鍵なんてかかっていないぞ |
| 鍵がかかっていない？ | |
ジャミル | 本当に開かないじゃないか。 何か引っかかってるのか？ まいったな…… カリム、今図書館の中には他に誰がいるんだ？ |
カリム | リドルとデュースとジャックも一緒だぜ。 |
リドル | さっきからボクたちも扉を開けようとしているのだ けれど、押しても引いてもビクともしないんだよ。 |
ジャミル | そうか。 リドルがいるなら少し離れても安心だな。 |
ジャック | むしろ尻もちで済んで御の字ってとこだろ。 リドル先輩が魔法で助けなかったら、 今頃は地面に真っ逆さまでしたよ。 |
| カリム | あっはっは、悪い悪い。 |
リドル | 笑い事ではない！ なにもかもとんだマナー違反だ！！！ |
デュース | 窓から落ちそうになったって、アジーム先輩 いったいどうしたんですか？ |
| カリム | 空が光ったときに窓の外を見たら、面白そうな物が 落ちてきたんだ。それを掴もうとしてつい……。 |
デュース | 面白そうな物？ |
| カリム | これだよ。 |
デュース | これは……何かの入れ物ですか？ |
ジャック | 円柱状で、口のところに何かついてる。 ……金具？ |
| カリム | 変わってるだろ？ 地面に落ちる前にキャッチできて良かったぜ。 |
リドル | 良かったぜ、じゃない！ キミはもっと反省をおし！！ |
デュース | りょ、寮長！そろそろ授業が始まる時間なんで、 その辺でどうか！ |
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