 リドル | これで課題に必要な資料はだいたい揃ったね。 あとは……図書館にきたついでに、 司法関係の本も借りて行こうかな。 この棚の本は読み終わったから、次はこの2冊を。 さて、貸し出し手続きに……ん？ |
 ジャック | お前は魔法史の課題に使う本を探しにきたんだろ。 『健康・運動』の棚を眺めてどうするんだよ。 |
 デュース | あっ、悪い。つい気になって。 えーっと、魔法史の本があるのは……。 |
リドル | 基本は「歴史・人文学」の棚だよ。 デュースが何を調べたいかにもよるけれどね。 |
デュース | ローズハート寮長！お疲れさまです！！ |
リドル | 大きな声を出すものではないよ、デュース。 図書館では特に静かにするように。 |
デュース | はいっ！すんませんっした！！ |
ジャック | 全然わかってねえじゃねえか…… |
リドル | キミたちも本を借りにきたんだね。 ジャックも一緒ということは、 陸上部の朝練が終わったところかい？ |
ジャック | 朝練後ってのはそうですけど…… 別に一緒ってわけじゃないっすよ。 俺が始業前に図書館に行くって言ったら、 コイツが勝手についてきただけなんで。 |
デュース | しょうがないだろう、行き先が同じなんだから。 僕も図書館に用事があったんだ。 |
リドル | 言い争っている暇はないよ。そろそろ始業の時間だ。早く本を選んでおいで。 |
デュース | 本当だ、急いで本を探さないと。 歴史の棚は……こっちか。 |
ジャック | 俺が借りる本はもう決まってる。……ああ、これだ 急いで貸し出し手続きを終わらせねえと。 |
リドル | ボクも手続きに向かうところだったんだ。 ……あれ、カウンターに人の姿が見えないね。 |
ジャック | マジすか。図書館が空いている時間帯は 貸し出しの担当者がいるはずですよね？ 離席中のプレートを出せばいいてもんじゃ ねえだろ。ったく、いい加減な連中だな。 |
リドル | まったくだね。始業前は利用者が少ないからと言って 規則を破っていい理由にはならないよ。 困ったな……貸し出し手続きを行わないことには、 図書館の外に本を持ち出せないのに。 仕方ない。昼休みに改めて出直すことに……。 あれ？ |
| ピカッ！！ | |
ジャック | 今一瞬、窓の外が光ったような……。 |
| ？？？ | おっ！空から何が落ちてきたぞ！！ |
リドル | 誰だい、図書館で大きな声を出しているのは。 マナー違反は無視できない……って。 |
ジャック | 窓から身を乗り出している奴がいるぞ！？ あのままだと落ちる……！ |
| ？？？ | うわあ！！ |
リドル | 危ないッ！！ |
| ドスッ！！ | |
デュース | ローズハート寮長！今大きな声が聞こえましたけど ……何かあったんですか？ |
リドル | ああ驚いた…彼（カリム）がこの窓から 落ちそうになっていたんだよ！ |
 カリム | いててて……尻もちをついちまった。 |
ジャック | むしろ尻もちで済んで御の字ってとこだろ。 リドル先輩が魔法で助けなかったら、 今頃は地面に真っ逆さまでしたよ。 |
| カリム | あっはっは、悪い悪い。 |
リドル | 笑い事ではない！ なにもかもとんだマナー違反だ！！！ |
デュース | 窓から落ちそうになったって、アジーム先輩 いったいどうしたんですか？ |
| カリム | 空が光ったときに窓の外を見たら、面白そうな物が 落ちてきたんだ。それを掴もうとしてつい……。 |
デュース | 面白そうな物？ |
| カリム | これだよ。 |
デュース | これは……何かの入れ物ですか？ |
ジャック | 円柱状で、口のところに何かついてる。 ……金具？ |
| カリム | 変わってるだろ？ 地面に落ちる前にキャッチできて良かったぜ。 |
リドル | 良かったぜ、じゃない！ キミはもっと反省をおし！！ |
デュース | りょ、寮長！そろそろ授業が始まる時間なんで、 その辺でどうか！ |
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